超高濃度ビタミンC点滴療法

超高濃度ビタミンC点滴療法

超高濃度ビタミンC点滴療法とは、

ビタミンCの抗癌作用は、ビタミンCが体内でフェントン反応により過酸化水素(H2O2)を発生させ、過酸化水素が癌細胞を殺傷することで生じます。過酸化水素は正常細胞にも反応しますが、正常細胞には過酸化水素を分解・無毒化するスーパーオキサイドジスムターゼSODとカタラーゼを豊富に持っており過酸化水素を無毒化してしまいます。癌細胞はこれらの分解酵素を有していないため過酸化水素の攻撃にさらされ死滅します。このように癌細胞と正常細胞に対するビタミンCの反応の差を利用したのが、超高濃度ビタミンC点滴療法です。

点滴静脈注射でビタミンCを直接体内に投与する理由は、癌細胞を死滅させるビタミンCの血中濃度が3500~4000μg/mlで非常に高いためです。服用による腸管吸収には限界があり、いくらビタミンCを大量に飲んだところで血中濃度はmaxで1mg/dLがせいぜいですので、これではとても癌細胞殺傷能力は生まれません。どうしても25~100gの大量のビタミンCを短時間に直接に血管中に投与する必要があります。個人差はありますが、この投与方法により初めて3500~4000μg/mlの濃度が達成されるのです。

点滴開始までのプロセス

当クリニックでは、以下のようなプロセスを経て、必ず患者様御本人をはじめご家族の御了解・御同意を得た上で治療を開始いたします。

①まず、面談(完全予約制)を行います。
■面談では、お身体のことで悩んでいる点、お困りの点などについてご自由にご相談ください。

②次に、治療計画を立てます。
■患者様ご本人のご希望を尊重し、治療方針を計画させて頂きますので、御自身の目標などありましたら、ご遠慮なくお聞かせください。

③治療内容等についての説明をさせて頂きます。
■面談の際に「高濃度ビタミンC点滴療法」の治療内容・治療日程・料金などについて詳しくご説明いたします。

④治療内容について十分な御理解を頂いた上で「同意書」にサインして頂きます。

⑤以上のプロセスを経て検査・治療が開始されます。

高濃度ビタンC点滴療法が適している方は

  • 標準的ガン治療が無効の場合
  • 標準的ガン治療の効果をより確実にする
  • 標準的ガン治療の副作用を少なくする
  • 良好な体調を維持しながら寛解期を延長させる

この点滴療法が受けられない方は

  • 腎不全がひどく、透析中または近日中にも透析が必要な方
    このような方には他の輸液も含めて水分制限が必要なので、お受けいただけません。
  • 高度の心不全がある方や不整脈のコントロールができていない方
    上記の場合と同様にこのような方も受けられません、と言いますのも50gのビタミンCを点滴するのに点滴用蒸留水400 mlと併せておよそ500 mlの水分が静脈から体内に入りますので、心臓に重度の障害がある方にとっては負担となることがあります。
  • G6PD異常症の方
    G6PD(Glucose-Phosphate-Dehydrogenase)異常症という、日本人にはごくまれな先天異常があると、超高濃度のビタミンC点滴で、溶血性貧血になってしまうことがあります。
  • 胸水、腹水が溜まっている方
  • 極端に栄養状態が悪い方
  • 脱水症状がある方
  • その他

高濃度ビタミンC点滴療法の実際

  1. 最初はビタミンC15gから点滴を始め、25g、50g、75g、100gと増量します。
  2. 血液中のビタミンC濃度を1ヵ月ごとに測定し、投与するビタミンCの理想的な投与量を決定します。
  3. 点滴の所要時間は、点滴量によって異なります
  4. 一般的には週に2回の点滴で6ヶ月間継続、その後の経過が良ければ週1回を6ヶ月、さらに2週に1回を1年間、その後は月に1回行います。
  5. ビタミンC の量と点滴頻度は症状や状態によって適宜調整を行います。
  6. 治療効果の判断の為、1~3ヶ月毎に問診や診察を行います。

副作用について

高濃度ビタミンC点滴療法で有名なアメリカのカンザス州ウイチタ市にある国際人間機能改善センターで、15年間に3万件以上の高濃度ビタミンC点滴療法を実施し、ビタミンCの副作用によって死亡に至った例はありません。当院での経験でも実際には殆ど副作用のない安全な治療だと言えます。

ただし、稀に以下の症状が現れる場合があります

  • 下痢・嘔吐・脱水
  • 感染(点滴を行うため、常に感染の危険性は考慮されます。)
  • 低カルシウム血症
  • 血管痛
  • 溶血・皮下出血。極めてまれですが、ガンの壊死による出血
  • アレルギー(とうもろこしにアレルギーがある方)
  • 偽性高血糖(簡易血糖測定器を使用した場合による)点滴後、24時間以後は影響なし

治療の料金について

高濃度ビタミンC点滴は全額自費治療となります。医療保険適応ではありませんので、点滴・検査など全て自己負担となります。

※ビタミンCの価格変動により点滴料金を変更すること があります。(社会情勢の変化による価格の値上がり等で)

治療費のお支払いについて

治療費のお支払いは、点滴実施ごとに当日のお支払いをお願いしております。

治療に当っての注意事項

  • 高濃度ビタミンC点滴療法は、世界の代替・補完医療によって広く行われていますが、がん、その他の変性疾患の全身的治療への使用には賛否両論があり、このような疾患の治療に有効であるという考え方は医学会でも少数派の意見であり、大多数の医師および保険会社には「実験段階」であると考えられています。
  • これらの治療は数カ月にわたって延長される可能性があります。また、ビタミンCがその効果を維持するためには、繰り返し行う必要があります。
  • 治療に使用するビタミンCは、当院が個人的に輸入したものであり厚生労働省の許可を受けている医薬品ではありません。よって確実な治療効果を約束するものではありません。また、なんらかの事故が起きた場合にも厚生労働省に責任を追及することは出来ませんのでご注意下さい。